ソリューションビジネスのフローを変えた
動画プロモーション

横河電機株式会社
IAシステム&サービス事業本部 システム事業センター
プラント情報ビジネス開発部 様

横河電機の品質安定化システム Digital Plant Operation Intelligence(DPI) は、お客様のプラントに蓄積されているデータを価値化するソフトウェアおよびシステムです。この新製品のプロモーションにあたり、シカデンは製品紹介動画の作成を、企画から制作までお手伝いしました。プラント情報ビジネス開発部長の佐藤恵二 様(写真左)、プロジェクト担当の脇山昇 様(写真中央)、生川昌憲 様(写真右)の3名にお話を伺いました。

完成した Digital Plant Operation Intelligence 紹介映像

01課題を持ったお客様をいかに見つけ出すか

シカデン:
動画を使ったプロモーションを企画した当初の狙いについて教えていただけますか?
 


脇山 様
 
脇山様:
これまでの当社の営業活動は、お客様毎にプレゼン資料を分かり易く工夫し、実際に利用して頂く担当者を見つけるまで関連部署に何度も説明を行う、といったアプローチで行ってきました。
今回開発した商品は、今までの横河電機にはなかった新しいカテゴリの商品です。我々には、新しいカテゴリの商品をお客様に如何に理解して頂くか、お客様工場内で今までお付き合いの少なかった部署へどのようにアプローチするか、といった大きな二つのハードルを超短期間で乗り越えたいという狙いがありました。

シカデン:
その狙いは成功したと言えるでしょうか?

脇山様:
効果は期待以上です。 例えば、営業担当者から来たメールをそのままご紹介しますと、
「昨日お客様を接待した際に、YouTubeで公開しているDPIの動画(3分)をスマートフォンで見せたところ、笑いを取りながらも、最後には製品の詳細を紹介して欲しい、との依頼をもらいました。お客様は社内で一番のキーパーソンです。」
といったことがありました。営業担当者も改めて動画の威力を感じた、という話でした。この他にも類似の例が、すでに何件かあります。

02ソリューションビジネスのやり方が変わった

 


佐藤 様

 
佐藤様:
今までの営業というのは、例えば紙の資料を持って行くにしても、何かしら説明の為に勉強しなければならなかった。でも極論すると、それさえしなくても良い。 今、営業担当者にお願いしているのは、「まず動画を見せて。それに興味を持った人が我々のターゲットであり、興味を持たない人はターゲットではないのでそれ以上アプローチする必要はない」と。 動画を見せて、真のターゲットとなるお客様を見つけてきて欲しいと伝えています。

脇山様:
今までソリューション営業は、とにかく「課題のあるお客さんを見つける」ということを言われていた。でもいきなり「こんな課題はないですか?」と聞いても、「いや、お宅に言うほどの課題はないよ」 と言われてしまう。この動画があれば、そういった面倒なやりとりを飛ばして「とりあえずこの動画を見てください」と言える。 これは、営業担当者にとっては大きいですね。

佐藤様:
デスノートっていう漫画の「死神の目」って知ってます? 死神の目を持ってると、他の人の頭の上にその人の寿命が見える。あと10年、あと5年って。当然、本人には見えていない。 例えば葬儀屋であれば「あなたあと何年生きますか?」って聞くことができれば早いですよね? 「あと5年です」「じゃぁ5年後に来ますね」って。 でも、そんなこと聞けないわけですよ。たとえ聞けたとしても本人にも分からない。
ソリューション営業というのも同じような話なわけです。 残念ながら死神の目なんて無いから、何かしらかのコミュニケーションを取らなければならない。 その時に、今までは基本的にインタビューをするしかなかった。 それが、この動画を見せて、これに反応したら「私この課題があります」って頭の上に見える、 みたいな話なんですよ。そういう意味で、非常にいいツールになったと思ってます。
 

03絵・音・セリフの相乗効果でお客さまに伝わるものに

シカデン:
生川さんは、趣味で自らイラストをお描きになるということで、今回は非常に助けていただきました。
DPIを擬人化したキャラクターも生川さんのご発案ですね。今回のプロジェクトに関わられていかがでしたか?
 


生川 様
 
生川様:
率直に、関われて良かった!というのが感想です。
中身を理解してもらえれば良いと思ってもらえるものはたくさんあると思いますが、 やはり、ファーストタッチに行くまでが一番大変だと思うんですね。今回作って頂いた動画は、再生前の静止画の状態やクリックして再生が始まった冒頭の15秒を見た際に、少なくとも拒否反応を示されるものではない。これが非常に重要だと思っています。
これまでの動画の中には、内容がつまらなくて途中で止められてしまうものもあったように思うんですね。今回は、まず「なんだろう?」と興味をもって見てもらえるというのがすごく大きい。絵コンテを最初に拝見したとき、キーボードをカタカタやっているところを見て「ああ、ファーストタッチがいいなぁ」と感じました。

脇山様:
音楽も、なかなか染み込む感じで良いですよね。
関係者も「耳に残る」と言ってました。「音を聞くだけでなんか思い出しちゃうんだよね」と。

生川様:
BGMはベストマッチでしたね。どのように音をつけていったんですか?

シカデン:
基本的なコンセプトとしては、課題があって困っている状態と、課題が解決された状態の対比を表現したい、 それをビジュアル面だけでなく音の面でも出したかったということがあります。 それが、前半の少し鬱屈した雰囲気と、後半の軽快な音楽の対比になっているんですが、 後半の中でも「課題」と「解決」というのが何回か繰り返されるので、 そこでも対比を表現できないかと音効さん(サウンドデザイナー)に相談したところ、 ベースの音楽があるところに「解決」の部分で口笛が入ってくる、という形に落ち着きました。

生川様:
あの口笛がブレークスルーですよね。あれが効いてます。

脇山様:
いや、本当に。音は大事ですよね。どうしても画面に目がいってしまいますけど、 音で記憶に定着しているのかも知れない。あと、ナレーターさんの声も落ち着いた信頼感のおける声で非常に良かった。

シカデン:
何名かご提案しましたが、最適なチョイスをしていただきました。

佐藤様:
今回の取り組みは、「ソリューションビジネスフロー改革」なんですよ。 横河に限らず、私たちのお客様である製造業を見てみても、 色々な会社が今、ソリューションビジネスに移行するんだ、ってことを言ってます。でもその時、ほぼ例外なく皆さん戸惑っている。今までとははっきり違う。もちろん今までの商流を使おうというのは、当然最初としてはやらなければならない。 でもビジネスを変えようとするとそれだけではダメで、新しいビジネスフローが必要になる。その時に取り組む順番として、まずは「入り口」の部分からやっていかないといけない。その第1弾として、今回のムービーははっきりと想定以上の効果が出ていると言えると思います。 で、それを成功させるために、さっきの口笛が入っているかどうか、みたいな部分が実はとても重要で、それがソリューションビジネスの肝を知っている、ってことなんですよ。見る人がみればそれに気づく。

シカデン:
ありがとうございます。今回は、シナリオの元になった原稿に、お客さまの本当の課題がしっかりと捉えられていた、ということがとにかく一番重要で、それがあったからこそ、お客様に反応していただけるものにできたのだと思います。

佐藤様:
あえてDPIのことで言うと、僕らは、ものづくりは「4M」だ、と言ってるんですね。 Material(原料)、Machine(設備)、huMan(人)、そしてMethod(工程・手順:作り方)、その4つを適切に組み合わせることで、良いものづくりができる、と。
たぶん販促も同じなんですよね。絵であり、セリフであり、構成であり、音であり、それらをトータルしてどうやってお客さんに伝えるか、染み込ませるか、というところだと思うんですよね。そこを、今回はシカデンさんに、総合プロデュースというか、貢献していただいた、と言うことだと思います。

シカデン:
本日はありがとうございました。
 

 


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